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MetricABとTonal Balance Controlによるマスタリングチート/DTMコラム

MetricABとTonal Balance Controlによるマスタリングチート

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MetricABとTonal Balance Controlによるマスタリングチート

マスタリングって難しいですよね。

一流の作品はどんな環境で聴いても良い音がするのに、自分の作品はそうはならない。
自分の環境でバランスが良くても、再生ツールやスピーカーが変わると「なんじゃこりゃ!」ってのも平気であります。
私自身、自分は耳がいいと思ってるのにトンチンカンなミックスやマスタリングをした経験が山のようにあって「プロのエンジニアはそんなに耳がいいのか」なんて落ち込んだ覚えがあります。

プロは確かに耳がいいし、一般人には聴こえていない部分も聴こえています。
でもそれは経験に裏打ちされたもので、私たち普通の人と天と地ほど差があるのかといえば、決してそんなことはありません。

今回は、私がマスタリングで使用している二つの「メータープラグイン」を紹介します。

  • iZotope「Tonal Balance Control」
  • ADPTR「MetricAB」

この二つはセットで正しい使い方をすると、恐ろしい力を発揮します。
私自身、この二つの導入でマスタリングへのアプローチが大きく変わりました。
今回は、マスタリングの要点と、二つの素晴らしいツールについて紹介いたします。

マスタリングにおけるバランス

マスタリングの目的はまず「音量・音圧の適正化」

楽曲に望ましい音圧になるようマキシマイザーをかける。
他の音源と比較して違和感のない音量になるようにリミッティングを行う。

慣れていない人にはこの「適正」という値がわかりません。
当たり前です。比較対象がないからです。
マスタリングではこの「比較する」考え方が非常に大きな意味を持ちます。

加えて、現代のマスタリングには「2mixのトラブルシューティング」「音源全体の質感を調整する」という役割も期待されています。
これはエンジニアの個性やノウハウが生かされるポイントなのですが、ここでは前半にお話しした「適正化」にのみアプローチします。

質の良いマスタリングを行うためには音源のバランスが良い状態に整えられている必要があります。
ふまえて、見なければいけない項目は以下の3つです。
優先度順に書きます。

  1. リスニングにおけるサウンドの印象
  2. 周波数バランス
  3. ダイナミックレンジ
  4. 音圧(音の大きさ)

慣れてないうちは耳に頼るだけでは難しいですし、一般の大音量も鳴らせない住宅では、フラットなリスニング環境なんてまず実現できません。
限られた環境でマスタリングを行うには、メーターなどにより得られる情報に頼る必要があります。
そこで便利なのが今回紹介する二つのプラグインです。

iZotope「Tonal Balance Control」

mastering_1.png

iZotope社の「Ozone 9」などに付属するプラグインです。
セールで買っても安くない買い物に見えますが、使ってみるとその機能性に「やっす!」と思うこと請け合いです。

このソフトは「こちらが用意したリファレンストデータを参照し、周波数バランスを比較できる」というツールです。
緑の部分がリファレンス音源の周波数バランス、白い線が再生時のプロジェクトの周波数傾向です。
マスタリングの際に、EQで緑の範囲内に周波数特性をあわせることで、リファレンスに近いサウンドに近づけることができます。

読み込ませた分析結果はプリセットとして保存できるので、ジャンル別に優秀なリファレンスの分析結果をプリセットにリスト化しておけば、ワンタッチでリファレンスを選択して、分析結果を参照してEQの設定を行うことができます。

参照すべきリファレンスはつど変わると思いますので、例えば「アップテンポなロック」なら、同じジャンルに複数のリファレンスを持っておいて、あわせてみてサウンド的に相性の良いリファレンスを参照するのがおすすめです。

優秀な作品を参照すれば、プロの音作りのノウハウを実際に自分で再現して体験することができます。
一人では決して思いつかないカーブを多く身に付けることになり、勉強としても非常に良い経験が多くできるプラグインです。

ADPTR「MetricAB」

mastering_2.png

Plugin Allianceにより発売されているメータープラグイン。
通常199ドルと高価なソフトなのですが、セール時には49ドルまで落ちるので、50ドルを切ったらマストバイなプラグインと言えます。

このプラグインの一番の売りは何と言っても「リファレンス音源とのAB比較」
ワンタッチでリファレンスとプロジェクトの再生音を視聴比較できるほか、様々なメーターの数値を比較して差を埋めることで、リファレンスにサウンドを近づけていくことができます。

非常に多機能なソフトですが、今回は以下の機能をマスタリングで使用します。

Dynamics Meter

mastering_3.png

楽曲の音量レンジの差(音圧)を計測するメーターです。
このメーターは非常に貴重で、通常のDAW標準にはほとんどダイナミックメーターがついていません。

プロの楽曲を確認してみると、ダイナミックレンジが非常に安定しているのがわかります。
これはマスタリングの段階でマスタリングコンプやマキシマイザーなどで音圧が調整されていることを表しています。
プロが狙っているラウドネス(音圧)が数値化できるだけでも、かなり貴重な情報です。
分析結果を参照して、マスタリングコンプやマキシマイザーでダイナミックレンジを近づけるだけで、プロのサウンドに大きく近づきます。

LUFSメーター

mastering_4.png

LUFSメーターにおけるラウドネスをリファレンスに合わせます。
ダイナミックレンジは音量の幅の値ですが、LUFS値は音源全体のラウドネスを表します。
主にマスタリングリミッターで調整する作業になりますが、音を潰せば当然ダイナミックレンジも変化するので注意が必要です。

AB比較でリスニングチェック

最後に、リスニングでのリファレンスと比較し、音量や音圧、サウンドイメージをチェックします。
各種メーターの数値が同じなのにサウンドが好ましくなっていない結果になっている場合は、2mixに致命的な問題があるのかもしれません。

メーターをつかったマスタリングで大事なのは「音質>数値」です。

リファレンス音源と数値をマッチングさせることは、あくまで良質なサウンドを獲得する手段です。
耳での判断を最優先に、今まで処理してきた内容の数値を見直してください。

優秀なメーターとリファレンスチェックはDTMマスタリングに不可欠

マスタリングで大事なことは、とにもかくにも「リファレンスとの比較」

再生環境のチェックなら、複数ツールでの再生チェック。
リファレンス音源とのチェックからバランスの良いマスターは作られます。

上記の手法を試された方は、我流で行なっていたマスタリングより数段階のクオリティーアップに繋がるはずです。
DTMerの方は、ぜひ試して見てくださいね。

2020年2月12日 :テクニック・Tips (1)

DTMトレーナー:高岡兼時

DTM-Online音楽教室・代表講師
音楽同人サークル『Film Records』代表。
年に2枚の作品をリリース。
他、個人/法人の制作案件をご依頼いただいております。
『Cubase Pro 8で始めるDTM&曲作り』
リットーミュージック・執筆
http://kenjitakaoka.com/

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